Please ensure Javascript is enabled for purposes of website accessibility Midcaps: Finding diversified growth in an AI-dominated market - Janus Henderson Investors - Asia Japan institutional
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米国中型株:AI主導の市場環境下で探る分散された成長機会

米国中型成長株式戦略(以下、当戦略)ポートフォリオ・マネージャーのブライアン・ドメインおよびコディ・ウィートンが、株式市場における人工知能(AI)関連銘柄の優位性が、なぜ分散投資の重要性を一段と高めているのか、またAI以外の領域では、米国中型成長株にどのような成長機会を見出しているのかについて解説します。

2026年8月12日
6 分で読めます

主なポイント:

  • AIインフラ投資拡大は、引き続き市場の中心的テーマだが、パフォーマンス格差、ボラティリティ、指数の集中リスクが高まった極めて二極化した市場環境も創出
  • AIテーマへの選別的な投資参加は有効と考える一方、米国中型成長株は、ポートフォリオの分散に資する多様な事業モデルや成長ドライバーを見出しやすい領域の一つ
  • AI以外で持続的かつ差別化された成長が期待される分野として、ヘルスケアにおけるイノベーション、資本財、運輸関連の投資機会に注目

AIインフラ投資の拡大は、米国株式市場のほぼあらゆる領域において中心的なテーマとなっており、中型株も例外ではありません。データセンター建設、電力システム、特殊ハードウェアに関連する企業への強い注目は、パフォーマンス格差とボラティリティが高まる、極めて二極化した市場環境をもたらしています。

当戦略運用チームは、一つの投資テーマに市場がけん引されている局面ほど、ポートフォリオ構築の重要性は低下するのではなく、むしろ高まると考えています。また、現在の市場の他の領域では見出しにくくなっている、多様な事業モデルや成長ドライバーの組み合わせを確保する上で、中型成長株が相対的に魅力的な投資対象となり得るとの見方を強めています。

指数およびバリュエーションにおける集中リスク

現在、集中リスクは二つの側面で顕在化しています。一つはベンチマーク自体の構成、もう一つはそのリターンをけん引している銘柄に付与されているバリュエーションです。

ラッセル中型成長株指数については、バリュエーション指標別のパフォーマンスを見ることで、そのリスク特性の高まりが明確になります。2026年上半期には、株価売上高倍率(PSR)で最も割高な上位10分位の銘柄が45%超のリターンを上げた一方、2番目に割高な10分位の銘柄は約25%のリターンとなりました。一方、指数の残り80%の銘柄の平均リターンは7.6%にとどまりました(図表1)。

図表1:ラッセル中型成長株指数における株価売上高倍率の分位別トータルリターン(%)

ラッセル中型成長株指数構成銘柄を株価売上高倍率の高い順に10のグループに分けた場合の、指数全体のリターンに対する各グループの寄与度

出所:FactSet, Bloomberg、2026年6月末時点

指数に高い集中度が内包されている場合、その構成は短期間で大きく変化する可能性があります。6月27日に実施されたラッセル指数の年次銘柄入れ替え後、複数のAI関連受益銘柄がラッセル中型成長株指数から大型株指数へ移行した一方、新たに複数のAI関連銘柄が同指数に採用されました。

興味深いことに、こうした入れ替えにより、テクノロジー・セクターの構成比は12%超上昇した一方、一般消費財・サービス・セクターの構成比は約8%低下しました。

図表2:ラッセル中型成長株指数における高バリュエーション銘柄の比率の推移

 

出所:ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズ、FactSet、2026年6月末時点

こうした集中は、支配的なテーマが好調な局面では投資家に恩恵をもたらしますが、そのテーマが失速した瞬間にリスク要因へと転じます。大型株ではAIの存在感が非常に大きくなっており、他の長期成長テーマは実質的に希薄化されています。ブルームバーグ・インテリジェンスによれば、S&P500指数の時価総額の約45%を占める44社で構成される同社のAI関連テーマ・バスケットは、2024年以降の同指数の利益成長、および2022年以降のマージン拡大の大部分を生み出してきました。1

一方、中型株では、AIインフラ関連銘柄およびその他の受益銘柄が成長株指数の約20~25%を占めています。当戦略運用チームは、中型株における分散されたポートフォリオは、AIインフラの成長を取り込みつつ、より混雑度の低い幅広い成長ドライバーにも同時に投資できると考えており、そこに現在、より魅力的な投資機会の一部を見出しています。

AI関連受益銘柄:選別姿勢を維持

総じて、当戦略運用チームはAIが成長をけん引し、経済を変革する可能性について前向きに見ています。この機会に向けた設備投資は、すでに米国の国内総生産(GDP)の重要な構成要素となっており、GDP拡大の主要なけん引役にもなっています。

当戦略運用チームは、先端コンピューティング、メモリー、半導体プロセス制御、さらにハイパースケーラー向けのデータセンター電力、冷却、製造プラットフォームにおいて、持続的な力強さが続くと見ています。一方で、投資対象の選別姿勢は維持しており、AI関連設備投資の成長シナリオが多様に変化する中でも恩恵を受け得る、持続的な競争優位性、市場シェア拡大、またはサービス収入に裏付けられた持続可能な成長を有する企業を重視しています。

重要なのは、バリュエーションが今後3~5年の予想利益成長によって裏付けられている必要があるという点です。AI関連のモメンタムは、中型株市場の一部でバリュエーションを極端な水準に押し上げています。大手大型テクノロジー企業の株価収益率が概ね20~25倍である一方、一部の中型AI関連受益銘柄は60倍、70倍にまで上昇しています。AIインフラ関連銘柄の高い倍率を正当化するには、設備投資が今後何年にもわたり高い成長率を維持する必要がありますが、それを持続することは容易ではない可能性があります。

ヘルスケア・イノベーション

AI以外では、当戦略運用チームはヘルスケア・イノベーションを最も魅力的な成長分野の一つと見ており、ライフサイエンス・ツール、バイオテクノロジー、医療機器にわたって投資機会が存在すると考えています。

医療機器については、人口動態に起因する需要を背景に、外科手術および臨床処置件数の着実な増加が見込まれます。

これらの銘柄の多くは現在、市場で選好されておらず、長期的な成長ポテンシャルとの乖離が見られますが、資本配分の改善と事業運営上の規律強化により、今後3~5年で大きな価値創出が可能になると考えています。

資本財および運輸

当戦略運用チームは資本財および運輸関連についても前向きに見ています。再工業化と脱炭素化は、ここ数年で見られなかったほど良好な複数年にわたる産業経済の追い風を生み出しています。電動化は、輸送、機械、消費者向け機器、インフラなど幅広い分野で加速しており、半導体や特殊装置などがその恩恵を受けるとみられます。

特に運輸セクターは、2020年および2021年のパンデミック期の輸送ブーム以降続いてきた循環的な低迷局面から脱しつつあります。在庫の正常化に伴い、この低迷が底打ちしつつある初期兆候が見られます。また、商用ドライバーの供給能力に関する連邦規制の強化は、需給が引き締まった際に貨物運賃と収益性の回復を加速させる可能性があります。

多様な成長ドライバーへのエクスポージャーを維持

市場は短期的な業績に過剰反応し、現在最も注目を集める投資テーマを評価する一方で、より安定的かつ長期的な成長を遂げる企業を過小評価する傾向があります。市場の時間軸と、多くの投資仮説が実現するまでに要する時間軸との間に生じるこのミスマッチこそ、当戦略運用チームが投資機会を見出す領域です。

そしてそれこそが、現在における分散投資の中核的なメリットです。分散投資により、投資家は多様な成長ドライバーへのエクスポージャーを維持できます。

その結果、ある一つのテーマが市場心理を支配する局面においても、その背後で進展しているその他の成長ストーリーを見失わずに済むのです。 

株価収益率(PER:Price-to-Earnings Ratio):株価が1株当たり利益(EPS)の何倍かを示す指標で、個別銘柄やポートフォリオ内の複数銘柄の株価を、その利益と比較して評価します。

株価売上高倍率(PSR:Price-to-Sales Ratio):企業の株価を売上高(収益)と比較することで、その企業の投資価値(バリュエーション)を測る指標です。

ラッセル・ミッドキャップ®・グロース指数(Russell Midcap® Growth Index): 株価純資産倍率(PBR)が高く、将来の予想成長率が高い米国の中型株の値動きを示す指数です。

重要な情報

人工知能(AI)に注力する企業、AI技術を開発または活用する企業:製品の陳腐化が急速に進むリスク、激しい競争、ならびに規制当局による監視強化に直面する可能性があります。これらの企業は、知的財産への依存度が高く、研究開発への多額の投資を行っており、消費者需要の維持および拡大に左右される傾向があります。これらの企業の証券は、より確立された技術を提供する企業と比べて価格変動が大きくなる可能性があり、また、事業運営におけるAIの利用に起因する法的責任やレピュテーション(評判)リスクなどの影響を受ける場合があります。

分散投資は利益を保証するものではなく、投資損失のリスクを排除するものでもありません。

ヘルスケア関連業種:政府規制や診療報酬制度、ならびに製品・サービスに対する政府承認の影響を受け、これらは価格や供給に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、技術や製品の急速な陳腐化や特許期限の到来による影響を受ける場合もあります。

小型株:大型株に比べて値動きが安定しにくく、業績悪化などの悪材料の影響を受けやすい傾向があります。また、価格の変動(ボラティリティ)が大きく、流動性が低い場合があります。

1ブルームバーグ・インテリジェンス「米国株式 2026年下半期見通し(US Equities 2H26 Outlook)」2026年5月12日

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